2007年8月23日木曜日

「天国の口、終りの楽園。」を観た

というワケで、月曜日の深夜にやっている定番の深夜映画番組、“月曜映画”で観た、「天国の口、終りの楽園。」でっす。

冒頭から、導入の20分くらいは、“太陽族”のガキがはしゃいでるだけで、全然面白くなくって、というか、なんかサブくて、「ヤベェな・・・」なんて思ってたんだけど、中盤、登場人物たちの関係性が、お互いの肉体関係云々で波打って、バランスが崩れ始める所から、俄然面白くなってくる感じでした。

内容は、まぁ、典型的なロードムーヴィーと言ってもいいんだろうけど。“ある種の通過儀礼としての小旅行”。そして、“ビルドゥングスロマンとしてのロードムーヴィー”。
ま、この作品も、その辺の、いわゆる“本線”は外してません。

個人的にちょっと引っ掛かったのは、なんか、途中、ところどころ、弛緩するところがあるんですよね。
それも狙いなのかもしれないんですが、個人的にはイマイチ。
ビーチの飲み屋で飲むシーンや、3人で絡み合ってしまうシーンなんて、特にそう。

なんだけど、ラストの直前、カノジョがパレオをスッと取って、波間に飛び込んでいくカットの、カノジョの開放感に満ちた笑顔に、その辺が一気に収束していく感じがあって。ま、イイなぁ、と。

ストーリーの終わり方も、青春ロードムーヴィーとしては、まぁ、教科書通りではあるんだけど、最高のエンディングですね。

画としては、なんていうか、個人的には大好きな系統というか、手持ちのカメラでゆったり撮る、という。
なので、逆にハマリ過ぎちゃって、“新鮮味”はそんなに感じなくて。“構成の妙”とか、そういう技巧的なアレとかは、まぁ、オレとしては、そんなに、と。
なんていうか、“快楽原則に則って”というか、ロケをするその場その場で、その場所に相応しいショットを1カットずつ撮ってって、みたいな感じなのかもしれません。
オレ的には、満点ですけど。

あとは、なんていうか、不思議なナレーション。
だいたい、誰が語っているか分かんないし。
で、その、ナレーションが、もの凄い独特の間で入ってくるんですよ。なんか、ヘンなタイミングで。それは、ちょっと参考になったかもしれない。

あとは、まぁ、よく喋る、と。スペイン語のリズムなんだろうけど、それがまた、心地よいというか。
ああいう、耳で聴いてて気持ちのいいダイアローグって、もの凄い大事だと思うんで。
リズムもそうだし、もちろん、言葉のチョイスもだし、俳優さんの力も関係するんだろうけど。


でも、まぁ、日本にいると、“海にいく”って、そんなに動機にならないもんねぇ。島国だし。少なくとも現代劇では、車でちょっといけば、必ず海なんて見れるワケだから。


ちなみに、十年位前に自分が書いた短編のシナリオに、「八月の風、九月の涙」というのがあったんですが、若干似てますね、タイトルが。
そういえば、それも、車を使った、ある種のロードムーヴィーでした・・・。
ちょっと思い出してしまいました。

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