2007年9月2日日曜日

「エンジェル・アイズ」を観る

J.Lo in Da House!」ということで、「タクシードライバー」ではなく、「エンジェル・アイズ」を観る。
ま、「タクシードライバー」は何度も観てますしね。
実はカエル顔の、というより、「20世紀少年」の“ケロヨン”顔のジェニファー・ロペス。昨日見たペネロペ・クルスと比べるとやっぱりちょっとアレですが、ちょっとスペイン語訛りの英語が結構ツボですね。良かったです。役柄にも合ってて。なんか、“等身大”という感じの、こういう役が凄い合ってる感じがします。ブルーカラーというか。

内容ですが、ま、よく出来た佳作だな、と。お金はかけなくてもちゃんと良いものって作れるんですよ、という、お手本のような作品ですよね。
こういう、“ハリウッドの佳作”って、個人的に大好きなんですよねぇ。スタッフもキャストも、大作やスターへの足がかりにするために作るようなアレなんでしょうが、まぁ、別にそんな事を気にせず、素直に観れる良い作品なんで。

不器用さゆえに、家族からのけ者にされている女と、愛していた家族を失ってしまった男の、まぁ、シンプルなラブストーリーなんですが、ディテールをもの凄い細かく積み上げていく、というシナリオは、ホントに上手なだなぁ、と、思いました。
“電話と留守電”とか、車を運転することに怯える、とか。

あとは、2人の、それぞれの脇にいるキャラクターが、良かった。こういうポジションのキャラクターって、変にステレオ・タイプな感じに作られることが多いんだけど、ちゃんと、個性的で、それぞれに背景と物語を持っている、というキャラクターで、またそれが、主人公たちの物語への効果的なエフェクトになってて。

ただ、その辺の、演出もコミのディティールの巧さとは対照的に、セリフはイマイチ。言葉のチョイスはそんなに良くないな、と。まぁ、訳語の問題もあるんでしょうが。

主人公が変にマッチョじゃない所もいいですね。J・Loも、適度にパワフル、適度にフェミニンな感じで。

それから、DV(ドメスティック・バイオレンス)を描くんですが、その描写が凄い上手でした。ま、直接DVを描くワケではないんですが、その、被害者=配偶者(パートナー)の心情、と、もう一つ、遺伝してしまう、という部分。
虐待を受けた子供は、自分の子供にも同じ表現をしてしまう、という。再生産されてしまう“虐待”の悲劇性。ま、あくまでフレイヴァーなんで、真正面から取り上げている、というワケではないんですが。でも、問題の本質をちゃんと伝えてはいるな、と。


というワケで、なんだかんだで、素直に女優業のキャリアを伸ばしてるジェニファー・ロペス。ちょっと見直しました。

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