2007年10月9日火曜日

「クローズド・ノート」を観る

新宿のバルト9で、「クローズド・ノート」を観る。

えー、最初に結論から言ってしまうと、普通に泣いてしまいました。
個人的には、あんまり映画観て泣いたりはしない人間なんですが・・・。


ただ、沢尻エリカと竹内結子があまりにカワイイ&美しいばっかりに、他の所にケチ付けたくなるのも人情というもので。

まず、セリフがダサい。
言葉が多過ぎる、というか。キャラクターが、なんか、しゃべり過ぎな気がするし、セリフとしてチョイスされている言葉が良くないんだよなぁ。
ストーリーの構成とか、そういうのはもちろん、凄く良いんだけどね。

それから、伊勢谷友介が、なんか、窪塚洋介のコピーみたいになってるんだけど、アレでいいのかね?
まぁ、作品中だと、アレでいいっちゃいいような気もしないでもないが・・・。「ディスタンス」の時は、なんか、もっと良かったような気がするんで・・・。

あと、マンドリンじゃねーだろ、と。コレリ大尉じゃねーんだからよ。沢尻エリカ、全然弾けてねーし。なんか、もっとごまかし効く楽器にすればよかったのになー。

黄川田ナントカの役と設定もイマイチ。アレって、思い切ってジローラモさんとか、ドランクドラゴンの塚地とか、そのくらいやっちゃっても良かったんじゃないかなぁ。

もう一つ、これはちょっと不思議なんだけど、沢尻エリカの、冒頭の10分から15分くらいの演技がもの凄いイモ。
なんだけど、伊勢谷友介に会うぐらいのところから、もの凄い良くなってて。意を決して告白に行くシーンの表情とか、凄い良いんだけど、逆に最初の、あのイモな演技は、どうしてなんだろうか、と。
順撮りしてるのかねぇ?
それにしても、同じシーンに出てるサエコの演技も結構イモで。これも不思議。
ただ、サエコは、電話越しの声が凄く良くって、「あぁ、なるほどね」という感じでした。


と、ここまでは、偉そうに言ってますが、ほとんどアラ探しみたいなもので、要するに、美しい女性たちの織り成す、美しい物語の世界を楽しみましょう、という映画なワケですよ。


沢尻エリカを中心に、竹内結子、永作博美、板谷由夏が、それぞれ、擬似的な姉妹関係を作りながら、沢尻エリカが人間的に成長していく、というのが、物語の一つの側面になってまして。
まぁ、もちろん、伊勢谷友介との恋愛物語も、あるはあるんですが、どちらかというと、俺は、竹内結子との関係の中に付属してある、という捉え方ですかねぇ。
“擬似的な姉”に導かれながら、少女的な妄想というか、そういう形で、恋愛を経験するワケですな。つまり、王子様なワケです。伊勢谷君は。ちょっと不思議な。
竹内結子にとっては、もの凄いリアルな恋愛の相手なんだけど、沢尻エリカにとっては、王子様的な恋愛。この辺は、シナリオが凄い上手くて(もちろん、演出も)、きちんと表現されてます。

もう一つの物語として、竹内結子が、こちらは職場である小学校の教室を舞台にして、ある種の学園モノのストーリーを語っていく(文字通り、ね)という。

俺が泣いたのは、こっちです。
ま、だから、「瀬戸内少年~」的な作品なワケですよ、きっと。これは。夏目雅子にとってのそれと同じように、竹内結子と沢尻エリカにとっては。

しかし、女優陣が皆、美しいのと同じように、子どもたちも、それから、子どもたちと先生との関係も、ただただ美しい。
現実離れしている、と言えば、それまでですけどね。実際の“教職”というのは、あんなに美しい出来事ばっかりじゃないワケで。
しかし、まぁ、我々腐った大人たちは、この作品のような理想化された子どもたちの姿に滅法弱いことも間違いないワケですからね。


しかし、この映画がヒットしたら、あんな風にチャリンコでニケツするのが流行ったりすんだろうねぇ。
女性の教職の希望者が増えたりね。
ま、それくらい、美しい物語でした、と。

岩井俊二直系の、窓からの光を白く飛ばすアレも、ばっちり健在ですしね。川べりの小路とかも、いかにもな感じだし。


あんまりお金をかけてないっぽいところも、俺としては、グッドでした。
というワケで、ま、採点は満点です。皆さんも是非ご覧下され。


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