2007年12月10日月曜日

「ラウンダーズ」を観た

金曜日の夜に、ミッドナイト・アートシアターでマット・デイモンの「ラウンダーズ」を観ました。

まぁ、感想としては、結構期待してただけに、ガッカリ、と。
生意気言わせて貰えれば、不満だらけって感じでっす。


まず、音楽がダサい。全然“サスペンス感”、ないもん。あの種の音を使うなら、もっと低音ビンビン響かせるとか、ちゃんとやんないと。ただ“背後になってるだけの音楽”ですからね、アレだと。


それから、なんていうか、ストーリーが進んでいく場所というか、空間というか、まぁ、“設定”なんですが、それが中途半端なんですよねぇ。
一応、NYが舞台なんですが、いわゆる“アンダーグラウンド”でもないし、かといって“ただの下町”でもないし。
そのくせ、主人公の相手はロシアン・マフィアってことだし、親友は“出所”してくる、というストーリーだし。
全然、緊迫感・緊張感がないんだもん。マフィア相手に借金背負っちゃっても。

その、賭けポーカーの場面でも、全然“ヒリヒリ”してこない、というのもダメ。あれじゃ、お正月のババ抜きですよ。

あと、その、「大金を賭けているゲーム」というシチュエーションなのに、アドレナリンがドバドバ出る、みたいな描写が一切なし。これはいただけませんよねぇ。
ギャンブルの中毒性っていうか、まぁ、オレもギャンブルやらないんで、その辺は正直、アレなんですが、でも、それがあってのギャンブルでしょ。淡々とゲームの進行を追っていっても、映画としては、ダメでしょ。


それから、徹夜でゲームするのに、翌朝の顔が同じ、とか、もうダメ。
その辺の、生活感の欠如みたいのは、ある意味で徹底してて、その辺も緊迫感が伝わってこない原因になってる気がします。
もう充血で目がギンギンで、とか、そういうのがないと、切羽詰った感なんて出ないでしょ。
普通に夜中にドライブして、ゲームして、カモから金を巻き上げて帰ってくる、ってだけじゃ、ダメでしょ。


主人公が、“あまり裕福ではない家庭”の出身で、親友も前科者ということで、その、ポーカーで“成り上がっていく”物語なのかとも思ったんですが、そうでもなく。
主人公は、賭けポーカーで、学費を稼ぎながら、大学(法学部)に通ってるんですね。で、老人の教授に取り入ったりして。
その、“上流階級への足がかり”みたいなことかと思ったんです。
しかし、最後には、ドロップアウトしちゃうんですよ。

逆に、借金したりカネをせびったりという、トラブルメーカーの親友との絆を最後まで貫く、かと思ったら、最後にバイバイしちゃって、いなくなっちゃうし。

別れた彼女に謝ってヨリを戻すのかと思ったら、そっちにもバイバイだし。

ドロップアウトするのも、まぁ、いいっちゃいいんですが、そのきっかけが、なんと、老人の教授のアドバイスなんですよ。
全然美しくない!

労働者階級は永遠にそこに留まれ、みたいなことですか?
成り上がってくるな、と。エスタブリッシュ階級になんかなれっこないんだぞ、と。
アウトローとの友情なんか続かないんだぞ、と。

その、全部が全部、中途半端なんですよねぇ。

それから、これはちょっとのけぞっちゃったんですが、“ラスボス”のマルコビッチとポーカーで勝負するシーンで、マルコビッチの背後に、ぼろいテレビがあって、そこでボクシングの試合を中継している、というカットがあるんですよ。
こんな安易なメタファーを使っちゃイカンでしょ。
ポーカーとボクシング、「今この人たちは決闘してますよ~」的な。

ホントに、期待はずれでガッカリでした。


役者陣は、妙に豪華ですけど。
ちなみに、「ER」のコバッチュ先生が、ロシアン・マフィア役で登場してて、そこはちょっと嬉しかったですけどね。


ま、マット・デイモンの人気に乗っかっただけの作品でした、みたいなことですかねぇ。


ここまで散々酷評しておきながら、アフィリエイトっつーのもなんですが、まぁ、参考までに。





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