2008年3月7日金曜日

「ジェシー・ジェームズの暗殺」を観た

月曜日に、新宿武蔵野館のレイトショーで観た、「ジェシー・ジェームズの暗殺」の感想でっす。

なんていうか、不思議な感触の映画でしたねぇ。
もっとエンターテイメントしてるのかと思ってましたが、全然そうじゃなくって、暗い雰囲気の(実際、吹雪とか暗闇とか、そんなシチュエーションばっかり)、大人の為の作品、という感じ。ブラピが出てるクセに。


で、どうやら、この“ジェシー・ジェームス”というのは、アメリカ史上でワリと有名な人だったらしく、日本でいったら“清水の次郎長”とか、そんな感じの人だったみたい。

時代背景は、南北戦争の終わった後、ということで、120年くらい前ってことっスか?
いわゆる“西部劇”の時代なんだろうけど、まぁ、ストーリーは完全に“別モン”で。
そういえば、「ラストサムライ」と近い時代かもしれませんね。あれのトム・クルーズも確か、南北戦争の経験者じゃなかったでしたっけ。(違ったらゴメンなさい)

無理やり日本に当てはめて言っちゃうと、例えば忠臣蔵みたいな感じなのかもしれません。忠臣蔵っていうのは、物語の発端も、その後の展開も、盛り上がりも、結論も、全部知ってるワケです。まぁ、日本人なら。
で、そういう物語を、例えば映画にする場合は、別にストーリーの展開とかを観にくるワケじゃなくって、その物語をどう描くかを観に来るワケですね。お客さんは。
主役をだれが演じるか、どこを強調するか、どういう風に映すか、どこを省略するか、などなど。オチなんて皆知ってるワケで。


この「ジェシー・ジェームス」も、アメリカ人にとっては、そういう作品なのかなぁ、と。
作中で、こいつに殺されるんだっていうのは、みんな分かってて、「で、どうする?」みたいな観方をするんじゃないのかなぁ、と。


どうしてそう受け取ったかというと、この作品に、あんまりドラマチックなアレがないんですよ。もの凄い淡々と、主役やその周りの奴らの心理状況みたいのを追っていくんです。
そういう意味では、ブラピだけじゃなくって、群像劇みたいになってるんですが。
で、なんとなく最後に、メッセージみたいのが語られるんですが、まぁそれも、そんなに重要なアレではなくって。


うん。そういう作品でした。
じゃあつまらなかったかっつーと、別にそうでもない、と。だから“不思議な感触”。
淡々としていながら、引き付けられる力もある、と。それがブラピのパワーなのかもしれませんけど。



それから、映像的にちょっとヒネッたこともしてて、それは、画面の中央だけにピントを合わせて、わざと周辺部に焦点があって、みたいな画が出てくるんです。
まぁ、誰でも思いつくようなテクだとは思うんですが、実際に、映画館で観たのは初めて。効果は上手く出てるとは思いました。


と、こんな感じで。

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