2008年9月24日水曜日

「へヴン」を観る

月曜映画で、「へヴン」を観る。


いやぁ、凄い作品でした。2002年公開作品だったということで、観てなかったことを後悔しましたねぇ。

取りあえず、何が凄いって、画の「構図」です。凄い。
パーフェクツ!

取りあえず、冒頭のフライト・シュミレーターの映像で、いきなりびっくりさせられちゃって、で、問題は、その後。
エレベーターの一連のシークエンスが、凄すぎです。マジで。
主人公が乗っているエレベーターが下りてきて、後にそれに乗ることになる親子が、そこに向かって歩いて行くカット。その前の、ビルの壁面を上昇していくエレベーターとか。

とにかく、一つ一つの画の“キマり方”がハンパない。

で、ちょっとデータを調べたんですが、「ラン・ローラ・ラン」で名前を売ったドイツの監督さんです。名前は、トム・ティクヴァ。まぁ、ご存知の方は多いと思うんですが、恥ずかしながら、俺は知りませんでした。ちなみに、最新作は「パフューム ある人殺しの物語」です。DVDが出たばっかりのようなので、さっそく、近いうちにレンタルしたいな、と。

で。
「撮影」がフランク・グリーベという人。ティクヴァ監督の作品全部にこの人の名前があるので、多分、この人とのコンビで監督が作り上げているんでしょう。

しかし、この画の説得力は、ハンパないですよねぇ。


シナリオが、これは別の“巨匠”が書き遺していたモノで、その、時代設定がちょっとボヤかしてあるんですね。
一応、現代のイタリア(トリノらしい)なんですけど、ワリと、トリックというか、仕掛けの部分が古くさくて、下手したらウソ臭さが出ちゃうようなアレなんですけど、この監督の画ぢからで、有無を言わせず納得させてしまう、という。受け手の側を。

映画というのは、物語を映像で“語っていく”ワケですけど、この、「俺はこの話を語っていくのだ」という迫力がある、というか。画面に満ちている、という感じ。それが、ビシビシ伝わってきちゃって。

もちろん、主演のケイト・ブランシェットの凄味もあるんですけどね。
ただ、個人的には、彼女の存在感にフォーカスしたアレはなくって、どちらかというと、画の全体の構図とコミで、良かった、という感じです。

彼女の、無機質な(と、表現して構わないと思います)雰囲気が、硬質なタッチのライティングと、とてもマッチしてて。

無機質な場所でのシーンだけでなく、後半の、イタリアの田舎の田園風景を映すシークエンスも、もの凄い綺麗ですしねぇ。
電車の、トンネルの中のショットとか、最高でした。



う~ん。



これ、個人的に、レンタルじゃなくって、DVD買ってもいいかも。家に置いておいて、たまに見返すぐらいの感じで。
「ラン・ローラ・ラン」もチェックしてみないとなぁ。多分、そうとう勉強になるハズです。


というワケで、観てから24時間ぐらい経つんですが、全然冷静に語れません。


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