2008年11月10日月曜日

「バットマン・ビギンズ」を観る

というワケで、「ダークナイト」の前作にあたる「ビギンズ」を観る。


う~ん。
まぁ、「ダークナイト」に向けての壮大なプロローグ、という感じなんでしょうかねぇ。

一応、この作品でバットマンの誕生秘話みたいのを語って、新しくシリーズを始める、ということなんでしょうけどね。
その誕生のストーリーがねぇ。

渡辺謙、なにもしてねぇし。

ポタラ宮ですか? みたいなトコだし。その辺は、マジでダサくて、いまいち。


ゴッサムシティの描写も、CGを多用して、モノレールとか、かなり架空の都市として作りこんでて。
「ダークナイト」では、このやり方での都市の描写はまったくなくて、それが成功してるので、後から観た俺としては、その辺もいまいち。
まぁ、モノレールという設定上、しょうがないのかもしれませんね。


そのモノレールが、20年間の間で荒廃してるっていう描写は、クールでしたけど。それは、社長代理の経営方針のせいだ、みたいな感じにもなってて。


とりあえず、誕生までが長いかなぁ。
「ビギンズ」っていうくらいだから、そこを描くのがこの作品なワケで、それはしょうがないっちゃしょうがないんだろうけど。
バットマンのリアリズムを再定義しよう、という。
面白いトコもあるんだけどねぇ。バットケイヴの設定とか(南北戦争時代から利用してた、とか)、好きですけど。後にバットシグナルになるサーチライトの磔も。


でもねぇ。
チベットで修行するっていって、忍者かよ、と。こちとら、忍者の国の日本人だぜ、なんて。アメリカ人は好きかもしれないけどねぇ。
「悪の組織」で育てられて脱走する、という「仮面ライダー」スタイルも、個人的にはダサいし。



あ、スケアクロウという、元は精神科医だったキャラクターを演じた俳優さんは、良かった。


で、やっぱりリーアム・ニーソンは、いいよね。
彼が出ると、ギュッと引き締まる感じがします。


彼の存在感もあるんだろうけど、リーアム・ニーソンが再登場したあとは、ストーリーがグッと良くなる。
それは、ゴッサム・シティ=ニューヨークってことで、その都市を狙うテロリストとして現れるからなんですね。
それはつまり、「9.11」のメタファーというか、アメリカが世界各地で犯している不正義という罪に対する反撃、ということを語らせて。
バットマンとの戦いが「正義v.s.正義」なのだ、ということを、ちゃんと描くワケです。

これが「ダークナイト」になると、敵は、内側というか、シティの(外部からのテロリストではなく)犯罪者という設定になって、同時に、人間の心の闇みたいのとの闘いになるワケですね。
マフィアの“組織”もそうだし、ジョーカーもそうだし、トゥーフェイスもそう。


「ビギンズ」では、敵は外にいる、と。それを迎え撃つバットマン。
この語り口は、凄い良いと思いました。あんまり徹底されてないのもあって、伝わらない人もいると思うんだけど。
でも、ウェインタワーはモロにロックフェラーセンターなデザインだしね。
モノレールは、「ER」にも出てくる、シカゴの高架を走る電車みたいだけど。
(多分、ゴッサム・シティの描写は、ニューヨークとシカゴを両方合わせた感じで設定されてますよね)



しかし、この「ビギンズ」から「ダークナイト」への飛躍っていうのは、かなり凄い。
「ダークナイト」はホントに傑作だと思うんだけど、「ビギンズ」は、正直、そうでもないから。シリアスな語り口で語るアクション作品、という感じかな。

でも、この飛躍っぷりを考えると、「ダークナイト」は、到達点じゃなくって、絶対に通過点にすることが出来るような気もする。
もっと凄いのが作れちゃうんじゃないの?
なんか、「次回作には躊躇している」みたいなコメントが出てましたけど。そんなことないでしょう。もっと凄い作品が出てきますよ。きっと。


まだロビンも登場してないし、キャットウーマンだってそうだしねぇ。
あとは普通に、スケアクロウをもっと観たい。


そう考えると、「ダークナイト」の次作、超期待っスね。うん。


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