2009年1月6日火曜日

「エディット・ピアフ 愛の賛歌」を観る

日曜日の真っ昼間に、新春ナントカってことでテレビで放送してた「エディット・ピアフ」を観たので。


エディット・ピアフの、どこまでも満たされることのない悲劇的な人生を描いた作品、ですね。
直線的に人生を描いていくのではなく、時間軸が切り刻まれた形で描写される、と。単純に言ってしまうと、「駆け上っていく時期」と、「墜ちていく時期」のカットバック、という。
もう一つ、悲惨な少女時代の、だいたいこの三つに分けられる感じでしょうか。

母親に捨てられていた少女が、父親の実家である娼館に連れていかれ、逆に過剰な愛情を浴びせられて育って、その後に、父親に連れられて、また愛情不全の環境で暮らす、と。
ここまでが少女時代。

それから、父親と離れ、母親に憎まれながらも、その歌声で、成功への足がかりを掴む。
あらぬ容疑を掛けられて転落しかけるも、権威主義的な、“父権”的な男に歌い方を叩き込まれ、そして遂に成功する。これが「駆け上がっていく時期」。


ま、シナリオがホントに巧み、というか。上手に繋いでいく感じで。

映像的には、あまりトリッキーというか、技巧を凝らした、というアレではなく、主人公を常に真ん中に置いて、ひとつひとつのカットをしっかり撮っていく、と。
長回しがなかり多用されてましたけど。
冒頭の少女時代の描写では、揺れるカメラでずっと撮ってたり。
道路を歩いていく姿をずっと追っていったり。

セットはハンパないですけどね。屋外も屋内のシーンも、相当カネがかかってます、多分。
だからこその、このカメラワークなんでしょうけど。

ニューヨークのペントハウスみたいなトコで、ベッドからお茶を取りに行って、途中使用人たちにずっと声を掛けていって、戻って行くと、実は亡霊で、そのまま叫びながら、ステージに出て行く、というのをワンカットで撮ってたりして。
グルグル部屋を回っていくんだけど。

その辺は印象的でした。



ま、大作ですよね。ホントに。人生を丸ごと語るんですから。


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