2009年1月19日月曜日
「ウーマン・オン・トップ」を観る
バリ・シネで、ペネロペ・クルス主演の「ウーマン・オン・トップ」を観る。
ブラジル出身の女性を演じる、ということで、彼女はスペイン語を話すんですけど、役柄はポルトガル語訛りの英語が、とりあえず超キュート。
というより、とにかくペネロペが輝きまくっている傑作です。
えぇ。
傑作だと思いました。
悶絶ですよ。ペネロペファンとしては。
冒頭、いきなり白目むいてるペネロペにビビりましたが、乗り物酔いが激しい、というワケの分からない(エレベーターにも乗れない)設定に納得したようでよく分かんないまま、ブラジルから、愛する男のたった一度の浮気をきっかけにブチ切れて、サンフランシスコの(結構美人な)ゲイの親友の家に旅立つ、という。
ざっくり言っちゃうと、レストランの“厨房”に押し込められていた彼女の「自分探し」の紆余曲折、ということなんですけど、そういうややこしい話は基本的にはナシ。
ペネロペがカワイくて、それでいいじゃん、という作品ですから。
キーになるポイントが幾つかあって、まずは、料理。ペネロペが凄腕の、オリジナリティ溢れる料理人、という設定になってて、その料理から立ち上る匂いには“魔法がある”ということになってます。
この、料理からたちこめる湯気を、超地味なCGで表現するんですけど、その“加減”がなんかカワイイですね。露骨に色が付いてたりするんじゃないくって、ホントにただの白い湯気で、それがふんわり広がっていく、という感じで。
この“ふんわり感”は、かなりセンスがいい。
もうひとつは、確か「イマンジャ」という呼び名の、海を司る女神がでてくるんですね。
女神の呪いで、魚が獲れなかったり、結局最後までよく分からなかったりするんですけど、2人が結ばれなかったり。
一応、最後に、彼女の料理の“匂い”で、呪いが解ける、みたいなことにはなるんですけど。
あ、途中、料理が作れなくなる、みたいなのは、「魔女の宅急便」の飛べなくなるトコを連想させて、ちょっと微笑ましい感じでした。
黒猫は出てこないんだけど。
それから、ディテールとして、彼女のヘアスタイルが挙げられます。ブワッとしたゴージャズなヘアスタイルは、アメリカではエキゾチックな、という感じなんでしょうかねぇ。
セクシーというか、官能的というか、言葉は悪いけど、より動物的、みたいな。
女性のディレクターが、途中、ペネロペと同じ髪型になってたり、銀座のママみたいな、グッと上げたヘアスタイルが、“洗練された”という表現なんでしょけど、その対極のものとして出てきます。アメリカナイズ、という意味なんでしょうかね。
衣装も、多分そういうニュアンスでチョイスされてるんだと思います。なに着てもカワイイけど。
う~ん。
いや、そんなこんなで、最後は、最愛の恋人と元の鞘に収まり、おそらく彼女の“ヒモ”として、ビーチサイドで歌って踊って暮らす、という結末なんですね。
ま、そんなこんなのストーリーが良いか、ということはさておき。
ペネロペ万歳、と。
そういうことでいいんじゃないんでしょうか。
ペネロペ・クルスという女優さんの素質ありきの、傑作だと思います。
日本でも、こういう作品があるといいな。
変にお色気に振り切り過ぎちゃってスベってたり、ワケが分からなくなっちゃう作品っていうのも一杯あるし。
あ、ちなみに、「ウーマン・オン・トップ」ってタイトルは、最初意味分かんなかったんですが、実は、単なる下ネタでした。
この、ギリギリ品の無さと有りの境目をいく感じも、粋で好きです。
人生に「官能」って、必要ですから。男女問わず。人間ですからね。
何度も書きますが、傑作です。是非どうぞ。
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