2009年1月31日土曜日

社会が何を感じてるかを感じること

知り合いの方がミクシィの「日記」に書いたエントリーを、ここでアーカイブしておきたいな、ということで。


ちなみにこの方に対しては、かなり極私的になんですけど、敬意を抱いてまして。
このエントリーについても、勉強させてもらいました、と。そんな感じっス。

最も権威のある映画賞「キネマ旬報ベスト・テン」2008年邦画部門
1位 おくりびと
2位 ぐるりのこと。
3位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)
4位 トウキョウソナタ
5位 歩いても 歩いても
6位 闇の子供たち
7位 母べえ
8位 クライマーズ・ハイ
9位 接吻
10位 アフタースクール
*次点 百万円と苦虫女

要するに評価された映画だ。


日本映画製作者連盟が発表した2008年邦画興行収入ベストテン
1位 崖の上のポニョ 155.0 東宝
2位 花より男子ファイナル 77.5 東宝
3位 容疑者Xの献身 49.2 東宝
4位 劇場版ポケットモンスター 48.0 東宝
5位 相棒 -劇場版- 44.4 東映
6位 20世紀少年 第1章 39.5 東宝
7位 ザ・マジックアワー 39.2 東宝
8位 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 33.7 東宝
9位 マリと子犬の物語 31.8 東宝
10位 L change the WorLd 31.0 ワーナーブラザーズ

要するに稼いだ映画だ。


まあ、見事に食い違ってますね。
かろうじて「おくりびと」が興行収入11位に入っているくらい。
稼いでいる映画、大衆に支持されている映画が評価されない。
本当に嫌だ。

見てもいないでこんなことを言うのは良くないのはわかる。
見れば感銘を受けるであろうことも想像がつく。
しかし、あえて「キネマ旬報ベスト・テン」の問題点を言わせてもらう。これは日本の映画界の問題点でもある。


・見に行きたいと思う動機が得られない
人間ドラマがきちんと描かれている作品が評価されるのはいいとしても、それを見るために、実生活の人間関係で疲れている普通の人々が、わざわざ時間を作って劇場に行って安くない入場料を払うとは思えない。
映画がもともと好きな人や生活に余裕のある人しか行こうと思わないだろう。
これは、企画がよくないのだ。
クリント・イーストウッド監督の作品は至高の人間ドラマだが、同時に取り上げる題材が絶妙であるため娯楽作品としても優れている。
邦画の制作者には目線を低くし視野を広める努力を求めたい。

・社会性がない
「連合赤軍」と「クライマーズ・ハイ」は過去の事件を、「闇の子供たち」は海外の問題を題材にしているが、今を描いた作品は皆無だ。
これは興行収入の高い作品にも言える。
現代の日本がどんな状況か正面から向き合っている監督やプロデューサーはいるのだろうか。
なにも社会派作品を作れと言っているのではない。
社会の感性を的確に捉えていないと作品のリアリティーや観客が共感出来る部分が薄くなってしまうのだ。


ということです。

勉強になりやす。



ちなみにこの方は、ご自分で自主製作で撮った作品を、自らDVDにパッケージして、アマゾンを通して流通させている、という“豪腕”の持ち主でもあります。
↓です。

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