2009年2月18日水曜日

「ベスト・フレンズ・ウェディング」を観る

ジュリア・ロバーツ特集の午後のロードショーで、キャメロン・ディアスが共演している「ベスト・フレンズ・ウェディング」を観る。

ま、ロマンティック・コメディの良作の一つと言っていいと思うんですよね。
J・ロバーツの魅力全開、という感じで。

とりあえず、冒頭の、ベッドルームで携帯電話(弁当箱みたいにデカい!)で“親友”の結婚を聞かされるシーンの、あの、ベッドじゃなくってベッドサイドの床にドカって倒れるシーンは、映画史に残る名シーンだと思ってるので。

そして「取り戻す」と気合全開で燃え上がってシカゴに向かって疾走するシークエンス。そしてその直後に、キャメロン・ディアスのキュートなキャラクターに気後れしちゃう、という流れ。
いいですよねぇ。

この作品は、まぁロマンチック・コメディーの常套なんですけど、周囲の配役がいい、と。キャメロン・ディアスがいなければこの作品は多分ここまで輝きを持たなかっただろうし、あと、もう1人の“親友”の、ゲイの男。

特にラストの、このゲイ野郎の煌きは凄まじい。テーブルで、左手をもぞもぞさせながら携帯で話すJ・ロバーツの、仕草と表情と、まぁ他の全部の可愛さも含めて、その一連のシークエンスは、かなり良いです。
映画館で観てたら、映画館を出ながら「あぁ、いい笑顔だったなぁ」と。そういう風に思わせてくれたんじゃないんでしょうか。


C・ディアスは、ホントにハマり役ですね。可愛くって超セレブなんだけど凄い健気で一生懸命の、ムカツクんだけど憎めない、という難しい役を、すげーちゃんと表現してて。
彼女のキャラクターがちゃんと立ってないと、J・ロバーツの半狂乱の暴走が成立しませんからね。


ディテールでは、シカゴの運河を行く遊覧船のシーンがあるんですね。(ちなみに、俺はこの遊覧船は乗ったことがあります)
で、運河を進んでいくんで、橋の下をくぐるんですが、それを利用して、遊覧船のデッキで主人公と相手役が話してるシーンで、昼間の明るい光⇒橋の下の影の中⇒昼間の明るい光、という風にワンカットの中で動いていくんです。
これが、いい。
橋の影の中に入ると、一気に暗くなって、真っ昼間の屋外でのシーンが、一瞬で「暗い密室の中」みたいになるんです。というより、そこでだけ「2人の距離が縮まる」という演出になってて。
観てて、やっぱりそこでフッと気持ちが入っちゃう、というか。
遊覧船の、ゆっくりとしたスピードも、また効果的だと思うんですけど。いい感じのスピードで。
その、すぐにまた日なたに出ちゃって、「あ、錯覚なんだな」みたいな。



この作品のテーマは「プライド」と「自分に正直になる」なんですね。
ずっと、プライドが邪魔をして、本当のことが打ち明けられない。ずっとゲイの男には「正直に打ち明けろ」と言われ続けて、ずっと言えないワケです。
そして最後に、ちゃんと打ち明けて、キャメロン・ディアスにも“敗北”を認め、そして2人を祝福する、と。
そもそも、キャメロン・ディアスのキャラクターに対抗心剥き出しになって暴走し始めるのも、プライドが動機だったりするので。「私のモノだったのに」という。「出会ったばかりの小娘に獲られてたまるか!」と。

こういうストーリーは、女性を中心に、かなり需要が強いんじゃないかなぁ、と。

ま、「草食系男子」なんて言葉が流行ってるしね。最近は。



まぁしかし、ジュリア・ロバーツはねぇ。
素敵ですよ。ホントに。


いい作品でした。

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