2009年4月27日月曜日

教授が掴んだ映画音楽論

新聞に、「教授」こと坂本龍一さんのインタビューが載ってまして。
大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」の音楽を担当した時のエピソード。

(YMO散開の)その少し前に大島渚監督から、映画「戦場のメリークリスマス」に役者として出てみないかと声をかけられました。こんな演技素人の僕が役者をと驚きながらも、次の瞬間には「音楽もやらせてください」と言っていたのです。映画音楽なんて一度も手がけたことがないのに、なぜか出来そうな自信があった。若さゆえだったのでしょう。
でもどうやって作ったらいいのかまったく分からず、撮影で親しくなったプロデューサーのジェレミー・トーマスに参考になる映画を聞くと、「市民ケーン」と言われました。そこで早速、映像と音楽の関係を徹底して分析したのです。僕が出した答えはシンプルで、映像の力が弱い所に音楽を入れればいいということ
曲を作ってからどの音楽をどの場面に入れるかのリストを作り、大島監督と突き合わせをしたらなんと99%一致していて、これですっかり自身がつきました。


最近、全然別の記事で、幻冬社の見城徹さんが「若い頃の坂本龍一は凄いワガママだったけど、尾崎豊はもっと凄かった」みたいなことを語ってて、印象に残ってて。「めちゃくちゃ振り回された。でもそれに付き合うのが編集者の仕事」みたいな内容で。
で、このインタビューでは、その坂本龍一に無茶を言って振り回すベルナルド・ベルトリッチ(「ラストエンペラー」の監督さん)とのエピソードが語られるんですが、ま、さの話はここでは置いといて。



「映像の力の弱い所に音楽を入れればいい」と。

これはなかなか興味深い分析だなぁ、と。


ひょっとしたら、映像を作る側が意識していない「映像の弱さ」というのを感知してるのかもしれませんね。音楽を作る側の人間である、教授が。

逆に言うと、監督が「ここは音楽を使って観る側に働きかける」というのがあるのかもしれませんね。それを「映像の力の弱さ」と解釈してるのか。


スピルバーグは「作品を、音を消して観て、それでも面白かったらいい映画だ」みたいなことを語ってましたが。
それは「映像の力」の強さ/弱さと、なにか関係してるのかもしれません。


そうか~。



そういう風に考えたことはなかったな…。


ということは、まず映像は映像だけで構築していって、その後に音楽を付け加える、と。「力」を付け足すように…。


あ、でもそれって、普通のことなのか…。



ある講義では「ディレクターが自分で音楽を選ぶと、自己満足的なことに陥ってしまうから、よくない」なんていう鋭い言葉も聴いたことがあります。(受講ノートを確認しておかないとね。ちょっとウロ覚えだから)


別の講義では「撮影前に、自分で(実際に使用できるかどうかは別にして)サウンドトラックを作っておく」なんていう言葉も聴いたことがあるし。



映画音楽。


難しいにゃぁ~。


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