2009年5月8日金曜日

「ラッキーナンバー7」を観る

昨日観た作品とはうって変わって、スター揃い踏みな「ラッキーナンバー7」を観る。

ま、ジョシュ・ハートネット(主演)がめちゃめちゃカッコいいな、と。そういう作品ですね。

作品としては、あんまり面白くなかった。



なんつーか、体温が低いんですよねぇ。
それは、ハードボイルドとして定義される“クール”とは、ちょっと違う感じで。
もちろん、作り手側は、そういうのを狙ってるとは思うんですけど。

うん。
ハードボイルド、フィルムノワール、そういう“ジャンル”の新機軸、ということなんだとは思うんですけどね。
でも、イマイチ。
もっとテンションが高くないと。

ストーリー中に、主人公の正体と動機が明かされるんですけど、全然驚きとか無いし。
これ、どういう風に語ったら一番効果的なんでしょうかねぇ。

例えば、ヒットマンが、全然関係ない男を殺すんですけど、そこで、その殺しの意味を語るんですね。
この“語り”は、定番というか、お約束なんですけど、これをもう一回やる、とかね。
“息子”を殺すときに、もう一度語らせる、とか。むしろ、そこだけにして、そこで正体を明かす、とか。


ヒロインとの関係も全然面白くないし。
「こういう無機質な感じがクールなんでしょ?」みたいな雰囲気なんですよねぇ。作り手の。
それが全部スベってる気がするんだよなぁ。


唯一気になったのが、編集のタイミングの奇妙な感じ。
この間は、実は大好きです。

あと、壁紙が妙にポップで、それは良かった。
逆にそこが気になってしょうがない、というのもあるけど。
特に廊下を歩くシーンは、編集の間が独特なのと、壁紙が雰囲気を作ってるのもあって、ポイント高いです。(でも、それだけかも)


監督は、ポール・マクギガンという人。
どっかで聞いたことある名前だな、と思ってたら、「ギャングスター・ナンバー1」という作品(イギリス産)の監督でした。
実は、この作品は大好きなんですけど。



う~ん。
なんだろう。
やっぱ“テンション”が低い。
この間ここに書いた、坂本龍一の「映像の力が弱い所に音楽を入れればいい」という言葉を思い出しちゃったんですよね。
もっとグルーヴ感の強いサントラを被せて、そのリズムを使ってぐいぐいドライヴさせたら、もっと雰囲気が変わったんじゃないかと思います。
「ギャングスター・ナンバー1」は、確かもっとテンションが高い作品だった気がするし。

実は、最後の、ストーリーのエンディングとエンドロールに流れる曲っていうのがあって、これが凄い良くって、「えー?」って感じで。
なんてもったいないんだ、と。
「これ使え」というか、「この雰囲気でぐいぐい行けよ」という感じ。






ちなみに、その曲はこちら。なるべく大きな音量で聴いて下さい。





まぁ、これだけのキャストを揃えておきながら、なんとももったいない作品だな、と。曲も含めて。
そういう作品でした。

編集の“間”は、勉強させてもらいましたけどね。


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