見つけたのが、石坂昌三さんという方の「小津安二郎と茅ヶ崎館」というタイトルの本。
まだ一通りサラッと読んだだけで、小津監督と脚本家野田高梧がどんな方法論で書いていたかっていうトコまでは詳しくは書いてなかったんですが、なかに、こんな一節がありまして。
神楽坂の「和可菜」という旅館に籠もって、山田と朝間はワープロ一台を挟んで向かい合う。
山田が設定や状況を話し「こんなことは考えられないかナ」とボールを投げると、朝間がそれをキャッチして「それは不自然だよ。いまの若者はそんなことでは悩まない。後のことなど考えないで飛び出しちゃうよ」とボールを投げ返す。
2人はキャッチボール方式で、暴投があったり、脱線したりしながら、交代でワープロを打ち、ワン・シークエンスごとに仕上げて、話を進め、コンストラクションを練る。
日常見聞きしたエピソードや人物が下敷きになること、「松竹リアリズム」を守っていることは、小津の場合とそっくり同じ。シークエンスを書いた紙が、ワープロのディスプレイに代わっただけで、伝統を引き継いでいるといえる。
山田洋次監督のシナリオの執筆風景、ですね。
ポイントはやっぱり、「ワン・シークエンスごとに」ってトコなんだろうねぇ。
箱書きってことで。
ふむふむ。
もうちょっとまとめて書き残しておけるように、この本はまた再読します。
この本は、古本屋で800円だったんですが、アマゾンだと300円ぐらいみたいですね。
ま、安いっちゃ安いんだけど、やっぱり古本屋だと立ち読みできるっていうのが便利かな。この本もパラパラ立ち読みして買うって決めたからね。
ま、そういう話は別にいいっスね。