2009年12月10日木曜日

「父、帰る」を観た

月曜日の映画天国で放送していた「父、帰る」の感想でっす。




う~ん。



分からん・・・。



とりあえず、物凄く話題になった作品ですよねぇ。ヴェネチア獲ってる作品だし。



しかし…。



なんだろう、とりあえず、画は凄い綺麗。
どうやって撮ったんだろうっていうぐらい綺麗。

ホントに。
自然光だけで撮ってるのかなぁ。
ただカメラ回したらああいう画になった、ということではないと思うんだけど…。


登場人物はぜんぶあわせても10人ぐらい。
基本的には、親父と兄弟2人の三人だけ、なんですけど。


そういうトコが凄いってことなんだろうか?


兄弟2人の感情っていうのも、もう凄い伝わってきて、そこは凄いなぁ、という感じなんだけどね。


でもねぇ。
「だからどうした?」って思っちゃうんだよなぁ。

確かに、作劇も、ちゃんとしてるっちゃしてるし、ちゃんと最後まで観れるようにはなってるんだけど。


でもねぇ。




なんか、こういう時って「ちゃんと観れてない自分」が不安になったりするけどね。アンテナが狂ってるのかなぁ、とか、錆びてるのかなぁ、とか。


最後の最後まで謎が明かされないという部分が「良い」っていう評価なのか?



そもそも、最初の“目的地”は確か「滝」じゃなかったかと思うんだよねぇ。旅行の目的は。釣りをしにいく、ということで。

だけど、親父が公衆電話で電話した後、「用事が出来た」みたいなことで、兄弟はバスで家に帰らされそうになる。だけど「用事に付き合え」ということになって、また親父の車に乗る。
で、着いた先が、(湖の?)島。

その島の、なんかの鉄塔の上に、親父は兄弟を連れて行くんだけど、でも、その島は本来の目的地ではないハズなので、「この景色を見せたかったんだ」みたいなことではないと思うし。


あと、その島に渡るときに、ボートの櫂を親父は漕がないんですね。
そこが謎。
なぜ漕がないのか、と。“教育的な措置”なのかな、とか。
例えば、親父の“方向指示”みたいな掛け声がないとボートは進まない、とか、そういうワケでもなさそうだし。


う~ん。
こんなことをツラツラ書いてる俺は、なんか「まるでバカ」みたいな感じなんだろうか・・・。
不安だ。



兄弟2人の成長、という物語なんだとしたら、それはそれで、物凄い良く分かるんだよねぇ。
でも、そうなら、ラストのモノクロームの写真の意味が分からない。


“喪失”の物語なんだろうか・・・。
その、人生における「何かを失うこと」の、その失う過程を描く、という物語。
でも、そうなら、「そもそも最初は居なかった」という設定の意味が分からなくなる。


例えば、親父が帰ってきてからの「なんかしっくりこない日常」みたいな描写があれば、もうちょっと変わると思うんだよねぇ。旅行に連れて行く動機みたいなのが。
確かにそういう流れにすると、「親父の素性が全然分かんないし、旅も目的も分かんない」という感じが消えちゃうから、つまり、「そういう話じゃないのだ」ということだと思うんだけど。


う~ん。


そういうことじゃないのか?
「不条理劇である」ということなんだろうか?


それとも「リアリズムが素晴らしい」ということ? 演技が自然だ、とか。



う~ん。


ずっと(12年間)不在だった親父が、家に現れる。
⇒親子3人で小旅行に行こう、という話になる。実際に旅立つ。
⇒島に着く。兄が親父に心を開く。反対に弟は親父に反発する。
⇒親父との約束。約束を破る。親父と兄弟の衝突。
⇒衝突の結果。喪失体験。
⇒喪失体験を乗り越え、島から対岸に戻ってくる。


で?


違うか。

こうやって、どうにかして理解しよう、ということ自体が間違ってるのか?

世界は不条理である、と。
そういうことを言う作品なのか?


しかし、それならば、あまりに残酷すぎるし、個人的にはそういう意味でダメだ。



う~ん。
でも、分かるんだよなぁ。画がとにかく綺麗だし、確かに、演技も凄い自然で、そういう上手さは分かるんです。凄い。


でも、分かりません。


いい作品なんですけどね。


結論としては、そういう感じ。
うん。


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