2010年4月10日土曜日

「ザ・インタープリター」を観る

ショーン・ペンとニコール・キッドマンの2大スター共演な、「ザ・インタープリター」を観る。

ちなみに、この作品のタイトルですが、勝手に「ザ・インタープリンター」と記憶してて、「インターなプリンター? なんだそれ?」と思ってたんですが、ま、勘違いですね。

通訳さん。

まず、2人のキャラクターがハマっててとてもいいですよねぇ。
他の、脇役陣は知らない人ばかりでしたが、なんていうか、リアリティ重視というか、説得力のあるキャスティングという感じで、演出面での力の込め具合が伝わってくる、という感じ。
ともかく、キャスティングの勝利って感じだと思います。

それから、「国際問題」を、上手にNYの〝市内マップ”の中に落とし込む、という、シナリオの巧さも感じました。
「アフリカの内戦」を巡るストーリーが、国連本部を抱えるニューヨークの市内で展開される、という、うっかりしたら完全に上滑っちゃうような構図なんですが、主人公2人の生活感の描写も含めて、すごい上手くできたシナリオだな、と。

同時に、主人公2人の個人的なストーリーにもちゃんと落とし込まれていて、それはそれで上手に成立してるし。

ま、あいかわらず、キッドマンはキレイ過ぎて、普通の通訳にはあんまり見えない、なんていうのもありますが。
それと、一つだけ気になったのが、そのキッドマンが演じる主人公の女性の過去が、写真で明かされるんですね。
ここが、ちょっと手抜きなイメージ。
過去を知る人物(それこそ、実の兄、とか)が現れて、とか、そんな風に展開していっても良かったかなぁ。


その、ホントに惜しいと思うんだけど、結構話を端折っちゃってるトコがあるんですよねぇ。
これ、多分興行上の都合で切った箇所がいくつかあるんだと思うんですけど(基本的に、時間の長い作品は興行面ではマイナス要素とされる)、ちょっとそこら辺が気になったりして。

話の構造上、S・ペンの家族とのエピソードとか、当然あったハズなんで。
あと10分か15分ぐらいあれば、それなりの厚みが出て良かったんじゃないかなぁ、なんて。

まぁ、俺が生意気に解説してもしょうがないんですが。



でも、「アフリカ内戦」が、市民にとっては生活の場である、ニューヨーク市内の路線バスに"輸入”されてしまう、というアイデアは、なにげに結構凄いんじゃないかなぁ、と思います。なかなか思いつかないし、その、国連本部を抱える「世界の首都」的な存在であるニューヨークならでは、というのもあるし。


それから、S・ペンは、こういう役柄って合うだよな、と。
悶々と延々と苦悩しつづける役どころもいいけど、なんか、もっとフィジカルっていうか、ね。
この作品みたいに、画に動きのある作品の中にこの人が立っている、という構図は、結構好きです。
ハマるし、やっぱり、作品に厚みとか奥行きが出てくる気がする。

実は、巧く出てきてはいるけど、この手のストーリーっていうのは、それこそスティーブン・セガールとかジャン・クロード・バンダムなんかの作品と似てるっちゃ似てるんだよねぇ。
でも、真ん中にショーン・ペンみたいな人が立ってると、ぜんぜん違ってくる。



そんな感じですかねー。
思ったよりも全然良い作品でした。

普通に、国連の中の様子ってこんな感じなんだなー、というのもあったしね。
観光客として、入り口のロビーのトコだけは入ったことがあるんですけど、でも、なかなか中の様子は伺えない世界ですからねー。

というワケで、その辺も含めて、良作でした。

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