2014年5月14日水曜日

「復讐捜査線」を観た

CSのFOXムービーでやってた、メル・ギブソン主演の「復讐捜査線」を観た。

原題は「Edge of Darkness」、ということで、なんだろう、直訳すると「暗闇の端」ってことで、闇と明るい部分の境界線ってことですね。

しかし、完全に余談ですが、“捜査線”って言葉、現実に使ってるんだろうか?
新聞とか、実際のニュースでは一度も見たことないですけど、タイトルにはやたら出てくる言葉。
捜査線。



で。


舞台はボストン。老いた刑事であるメル・ギブソンは、帰郷してきた娘を空港に迎えに行く。久しぶりの再会。
ところが、娘の体調が、なんか思わしくない。吐いたりしてて、「つわりか?」と一瞬思わせといて、娘本人の口から「妊娠じゃないから」と。

じゃあなんだ、ということなワケですけど、その大事な告白をする、という時に、なんと、ショットガンを構えた暴漢に、撃たれて死んでしまうんです。

この展開!

ちょっと驚きました。

地元の警察の刑事たちは(主人公の同僚でもある)、父親、つまりメル・ギブソンを狙った犯行で、娘が撃たれたのはその誤射だ、という見込みで捜査を始めるんですが、父親本人は、犯人の狙いは自分じゃなくって最初から娘だったんじゃねぇか、と、独自捜査を始める。

で、なんと、ガイガーカウンターが出てくるんですね。娘の遺品から。



被爆だった、と。



日本における“3.11以後”を予言したかのようなアレですけど、でも、良いです。


ストーリーの展開としては、核兵器の製造を巡る“陰謀”みたいなのがあって、それを告発する云々の動きに娘が加担していて、ということになるんですけど、その、軍産複合体だとか、核兵器だとかの話を、ガイガーカウンターだけでずばっと言っちゃう、という、ここですよねぇ。

シナリオの巧さ、というか。


いちいち核融合炉とか核ミサイルの弾頭だとかを、映像で表現してられないワケです。カネがかかってしょうがない。
ガイガーカウンターだけ、ですから。
これで十分。


しかしだからといって、貧乏臭く作ってるワケでは全然なくって、娘の友人とのシーンのカースタントなんか、結構凄い。


というか、なんか“音”でびっくりさせるんですよ。編集のアレで。
何度も何度も。
なんか、同じテクニックで何度もびっくりしちゃって、ちょっと複雑でしたけど。

ま、この辺も、巧いです。


それから、放射能汚染されたミルクで被爆しちゃう、というのも、時限装置みたいで、良かったです。思わぬ緊迫感。



ひとつだけ気になったのが、娘のボーイフレンドとの関係性。
娘を挟んだ親父と彼氏、というのは、もう、なんていうか、どうにでも使える“オイシイ”ギミックなワケですよねぇ。
そこが、ワリとサラッとし過ぎてるよなぁ、とは思いました。


まぁ、その分、「もう一人の主人公」とも言うべき、謎のフィクサーという登場人物がいるんですけど、彼と父親との関係性の描写に重きを置いたのでしょう。

こいつは、ホントに謎の存在。
ただ、“Edge of Darkness”を文字通り体言する存在でもあるので、作り手としては、重要なキャラクター、ということなんでしょう。



うん。


なんていうか、無駄なお金を使わないで、大きな話を上手にコンパクトにまとめて作品にしている、という、話も面白いし、良い作品でした。
お薦めです。















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